介護保険法の成り立ちや基本理念とは?

日本の介護保険法が定められたのは平成12年で、高齢者の増加や介護などの支援を必要とする高齢者が増えたために介護保険制度がスタートします。
これまでの日本は介護は家族で行うという考えが強く、必要な介護は家族だけで担ってきました。ですが家族全体が高齢化に伴い負担が増えてきたこと、介護が長期間に及ぶことなど様々な問題が出てきたのです。また家族の人数も減り、高齢者だけの世帯も増えてきたので家族だけで介護を行うのは困難になってきたのです。
このような理由から家族だけの介護は限界があると判断され、介護保険法が制定されます。

介護保険法では第一条に介護保険制度の目的が、第二条には方針が示されていて、これらをまとめると介護保険制度の基本理念が見えてきます。高齢者の尊厳の保持や要介護状態の軽減と予防、医療との連携やサービスの提供などの理念が掲げられているのです。
高齢者の尊厳の保持では介護を受けることになっても一人ひとりの尊厳を守ること、要介護状態の軽減と予防では悪化しないような工夫をすることが書かれています。介護サービスを提供するときには医療との連携をし、医療スタッフからの視点も大切にするようにと指示されています。さらに高齢者がサービスを受けるときには自由にサービス内容を選ぶこともでき、利用者と介護サービスを提供する施設で契約を結ぶようにするのです。あくまでも利用者と施設は対等な関係にあり、一人ひとりの能力に応じたサービスが受けられるように配慮されています。